2007年07月07日(土)
どっこい主水は生きていた! [必殺ヲタ話]
今日は朝からウキウキ、ワクワク。
仕事中も、中村主水はどんな出方をするのか、主水と小五郎との対決シーはあるのか等々想像しまくりで、まるで彼氏に逢いに行く日のような気分。
あ、オレ彼氏いねぇや…。
第一、今のオレの中にはウキウキ、ワクワクに云いようのない後ろめたさのようなものが混じってるし…。
…横道に逸れました。
番組開始早々、落胆とちょっとした驚き。やっぱりビデオか…。こだわりの松竹も泣く子と製作費を出す放送局には勝てないか。
驚いたのは題字。予告編で見た題字と違う。題字が書き下ろし! しかも、エンディングのクレジットには“糸見渓南”氏の名が…。
旧作の使い回しをしていて氏の名がクレジットされるのは当たり前として、書き下ろしで氏の名がクレジットされていることに驚き。
このスペシャル(願わくば“スペシャルドラマ”ではなく“必殺スペシャル”にして欲しかった)のために新たに題字を書き下ろしてもらうとは、CGを多用した江戸の町並みと云い、ちょっと浮いてた新作BGMと云い、テレビ朝日も結構力を入れてるように感じられ、益々シリーズ化に期待をしてしまう。(旧作はABC〈朝日放送〉と松竹の制作だが、今回はそれにテレビ朝日が加わっている)
それとも、これがジャニーズ事務所のご威光と云うヤツだろうか?
火事を上空から大写しにするシーンはもちろん、奉行所のシーンなども今までとは大違いで、一言で云えば「金かかってンなぁ」だ。
そして中村主水登場。まるで映画『必殺!主水死す』などなかったかのように、往年のテレビシリーズとなんら変わることなくご出勤。
ま、八丁堀は殺しても死なない(何でも屋の加代・談)からね、と自分に言い聞かせてみる。
一度門の中に入りかけて逆戻り、『南町奉行所』の看板をしみじみと眺めて懐かし気に擦るところでちょっとジンとした。
しかし、主水さん。いやさ、藤田まことさん。
長いこと中村主水を演じていない上に、剣客商売の秋山小兵衛のような好々爺を演じ続けてきたせいか、久し振りの中村主水が、必要以上に老け込んだように思え、何か物足りなさを感じてしまったのが正直なところ。
以前は歩く後ろ姿にも独特のものが感じられたのに、その歩き方一つにしても“主水らしさ”が薄れてしまっていたのが寂しかった。
脚本的にも、もう少し主水の“迫力”を見せる箇所があっても良かったンじゃないかな、と思うのはオレだけだろうか?
渡辺小五郎の最初の仕事の後に、主水が小五郎のたもとを切ると云う、それらしいシーンを作ったつもりなンだろうけど、“仕事人・中村主水”の迫力がもう少し欲しかった。
ラスト付近の子供から仕事の依頼を受けるところで、“仕事人の何たるか”を語らせるのが一番いいところなのだろうが、それを今回の主人公である小五郎に花を持たせる意味でも語らせなければならなかったのは致し方なし、というところだろうか?
東山演ずる渡辺小五郎。見ていると、所々に“主水的”な行動が見て取れる。
これは演出側の意図したものなのかな。監督の石原興は、元は撮影監督で、多数のスペシャルのメガホンを握っていることもあり、藤田主水の所作は知り尽くしているはず。その石原監督が意図して東山に対してそう演技指導しているとなれば…世代交代と云うオレの妄想はますます膨らんでいってしまうンだよな。
東山の見せ場として、大立ち回りが何度か用意されてはいたのだが、主水の立ち回りがあまりなかったのは残念。
オレは、藤田主水の立ち回りが好きなのだ。
杉良太郎のスピーディな立ち回りや、里見浩太朗の舞いのような立ち回り、松平健の流れるような立ち回り、高橋英樹の豪快な立ち回りもいいが、藤田まことの、とりわけ中村主水を演じる藤田まことの決してカッコよくはない立ち回りが大好きなのだ。
劇場版が作られていた頃は、テレビでは滅多に見られない中村主水の立ち回りにワクワクしていたくらいだからね。
藤田まことの今のお歳ではそこまでは無理だろうけど、もうちょっと頑張って欲しかったと思うのは我が侭だろうか。
松岡演ずる涼次ッて、殺しの時のメイクきつ過ぎだよな? 目指すは中条きよしの「勇次」か京本政樹の「竜」か。抜け忍というところは「竜」にも通じる設定だし。
しかも、殺しの技が「毒」ッて…。外見や、抜け忍と云う設定の割には地味だよな。殺し方自体はクルクルと賑やかなンだけどさ。
松岡の涼次が「勇次」か「竜」なら、関ジャニ∞の大倉忠義(初めて意識したけど、結構可愛い…。関ジャニ∞にこんなコがいたとは気付かなかった。『電王』に出ている中村優一に似ていなくもないね)の源太は沖雅也の「棺桶の錠」や三田村邦彦の「かんざしの秀」の流れを汲む“熱血青年”キャラと云えるかな。
中村主水、渡辺小五郎、涼次、そして、和久井映見演じる菊。この4人の繋がりがよく判らない。(源太は最終的に、惚れた女の仇を討つために仕事人になるのでいいンだけどね)
菊が3人の仕事人と繋がっていることになっているのだが、同じ仕事を回しているのに小五郎と涼次が顔見知りじゃなかったり、小五郎が最初は主水の正体を知らなかったり、情報屋と云いながら、さながら数人の仕事人を同時に飼っていて、仕事によってそれぞれ割り振っている元締のようだがそんな風でもない菊。(しかも、主水の元浮気相手のような会話も見て取れるし…)
まぁ、つつけば色々と(筆頭同心役の宇梶剛士のキャラ作りなど)消化不良な面はあるが、新シリーズ実現へのパイロット版と考えれば、ギリギリ合格点をあげれるンじゃないかな。
欲を云えば、旧作の効果音があまり使われなかったのがちょい寂しかった。(オレは効果音ヲタクでもある)
最後に気になるセリフ。涼次をつけ狙うくノ一「玉櫛(水川あさみ)」が云った「あたしは流しの仕事人になる…」。シリーズ化への伏線と考えてしまうのはオレだけ?
いつしかシリーズ化のニュースが耳に入ることを願おう。それまでは、旧作のDVDで自分を慰めるしかないな。
もち、予約しました。
Posted by 源九郎 at 23時21分
コメント
東山…カッコよすぎ。悪いと思ってるわけじゃないんだけどね。必殺好きだし、東山のオトボケ具合もいい感じだから、TVシリーズになったら絶対観ると思うし。
藤田主水に代わる人…。今の役者さんでは見つけるの難しいよね。立ち回りの上手い人って事で役所広司あたり考えたけど、情けない役というか、頼りない感じというか、そういう主水の雰囲気とマッチしないし…。かといって、たぬきっぽい役者さんって事で西村雅彦あたりを考えてみたりしても、立ち回りは到底期待できそうにないし…。
げんさん、誰か思い付く??
その昔、小林稔侍(?)主演の時代劇があって、役柄も人知れず悪党退治をする同心で、どう見ても“中村主水”を意識した役作り。「小林稔侍は絶対2代目中村主水を狙ってる…」と思いながら見ていた。
でも、2代目中村主水は誰も襲名出来ないと思う。誰がやってもファンは拒絶するでしょ?
今回みたいに、同じような設定で、全く別のキャラクターッのが無難なンじゃないかな。(とか云いつつ誰だか心当たりがあったような気がするけど、誰だったか忘れた…)